デザイナーは、絵を描いたり、見た目をかっこよくすることだけが仕事ではありません。依頼された様々な問題や課題とじっくりと向かい合って、さらには、社会情勢や時代背景なども加味し、その問題の「本質」を探します。それは、人と違った視点で物事をみることができる、「デザインの視点」という武器があればこそ。近年、この「デザインの視点」や、デザインの考え方である「デザイン思考」というものを、ビジネスの現場にも積極的に活かしていこうという動きが世界中で見られるようになってきました。10年後や20年後、デザインを理解していない企業や組織が生き残れる可能性は低い、そんな時代です。そうなると、会社や組織の中でも、これまで以上に「デザイン」を理解した動きが求められるようになり、デザインを理解するための「デザイン教育」という言葉も盛んに使われるようになってきました。最近では、MBAよりもデザイン思考を身につけるためのクラスを受講するビジネスマンが急増しているのも、そういう理由からです。

地方では未だ、若者の流出が止まりません。でもそれは、地方に魅力がないのではなく、その魅力に気づいていないからです。特に小さな子ども達は、「デザインの視点」を持つコツも、見えなかったものが見える技術も、そんなものがあることさえも、きっと知りません。ならば、もしも子ども達が、この「デザインの視点」を手にいれることができたら、「何もない場所」と思い込んでいた町の景色が、これまでとは違ったように見えるのではないか。そしたらもっと、自分が生まれた町を大好きになれるんじゃないだろうか。そんな想いからスタートしたデザイン教育プロジェクト「DESIGNED BY CHILDREN ~デザインを手にいれたコドモたち~」は、デザイナー自身が自らの経験をもとに考案した、「デザインの視点」や「デザイン思考」を楽しく学べるカリキュラムです。「デザインの視点」を手に入れた子ども達がやがて大人へと成長した時、まちづくりはどんな風に変化していくでしょう。 そう考えると、なんだかワクワクしてきませんか?

● 対象:小学校6年生
● 期間:3~4ヶ月
● カリキュラム例
[1回目] デザインって何だろう?(講師:丸川竜也)
[2回目] <解剖> ~モノゴトの表面だけではなく、向こう側を見る視点を学ぶ
[3回目] <反転> ~ダメな所を良い所に変える発想法を学ぶ
[4回目] <合体> ~違うものを組み合わせて新たなアイデアを生み出す方法を学ぶ
[5回目] <変化> ~モノゴトの本質を見つけ出す方法を学ぶ
[6回目] <解決> ~学んだことを活かして、身近な問題や課題の解決案を考えてみる
[7回目] <特徴> ~自分や友達のキャッチコピーとロゴマークを考えてみる
[8回目] <制作> ~ダンボールを使って、1年生にプレゼントする遊具を作ってみる
[9回目] デザインの正体とは?(講師:丸川竜也)

● 展覧会:後日、学校の近くの図書館に、子ども達が考えた「デザイン」を展示する
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